Waoyaオーナー塩田俊樹は2007年に「京都和於屋三線」を開業。 沖縄に何度も出向き、様々な三線職人達と出会い、信頼関係を築いて参りました1 取り扱った三線200丁以上。型による音の特性、材による音の響きの違いなど様々な観点から沖縄の三線作りに於て豊富な知識と経験がございます。
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「ライブ居酒屋Waoya」にご来店頂くお客様の中には「三線を始めたい」「三線が欲しい」と言われるお客様が多数おられます。
そんなお客様と顔を合わせてお話しし、「どんな音がお好みなのか?」「どんな音を求めてられるのか?」などをお尋ね、或いは想像し、アドバイスをさせて頂きながら三線を沖縄から取り寄せてお渡ししても参りました。
この度、多くのご要望も有り、「三線購入の為のアドバイザー」を始めました。お気軽にご相談ください。
三線購入の際には、どんな三線を選べばよいのか?。どんな音色がするのか?。適正価格なのだろうか?。どの職人にお願いすれば良いのか?。などなど、様々な問題が発生します。この問題を解決し、本当に良い三線を比較的安価でご提供させていただけます。
これも多くの沖縄三線職人との出会い、交流があってこそ出来る事だと思っております。
面談、メール、お電話のいずれかであなたのお好みの音、価格などの条件をお聞きし、最も最適な三線を選択して沖縄の三線職人に発注いたします。
※一番ありがたいのは直接お会いしてお話しをお聞きする事です。お話ししている間に様々なお好みの音が見えてくるからです。ただ、遠方の方はそう言う訳にもまいりませんので
メール live@waoya.jp もしくはお電話 0774-24-8038でもご対応させて頂きます。
「あなたの好みの音って?」。
では三線の音は何で決まるのでしょう?。概ね下の3条件で決まります。
1.棹の型で音が変る
2.棹の材で音が変る
3.胴の材と皮で音が変る
「三線ってみんな同じ形してるんじゃないの?」
違います。三線には7つの基本的な型があり、それはデザインでは無く音の響きを追求した結果、生まれた型なのです。
型については、以下に詳しく説明をします。
■真壁型(まかびがた) 低音から高音までバランス良く響く。アコースティックギターで言うとマーチンだと思えば良いと思います。しかし音が整いすぎて面白くないという方にはお勧めしません。名工といわれた「真壁氏」が生んだと言われています。代表的な型で、現在制作される三線の大半は、この型で有ることも事実ですし、王朝時代の名器と言われる開鐘三線(けーじょーさんしん)数丁は、真壁型に限定されているほどです。棹は比較的細身です。
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■与那城型・江戸与那型(ゆなぐしくがた・えどゆなーがた) 太棹。低音が響きます。中音から高音にかけても太い鳴りがします。アコースティックギターで言うとギブソンだと思えば良いと思います。これは天が分厚く湾曲している為に低音が響く設計となっているからで江戸与那になると更に長さも20mmほど長くなり太棹になり重低音を奏でます。江戸与那は与那城型から派生した型だと思われます。江戸のお殿様に三線を披露する際に持参したものだと言う事です。
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■南風原型(ふぇーばるがた) 比較的中音から高音が響く三線です。中国から沖縄にこの楽器が渡ってきたときに最初に作られた型です。 いわば三線の原型。 棹は細めで側面から見ると天から下に向けて非常に優美なラインを描きます。「南風原氏」の作品といわれています。
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■知念大工型(ちねんでーくーがた) 比較的低音から高音までバランス良く響きます。天の真ん中に稜線が入り角が立っているからか、比較的硬い音を出すように思えます。真壁型に近いがちょっと人とは違った三線がほしい方にお勧め。1710年、三絃匠主取に任命された「知念氏」の作といわれています。
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■平仲知念型(ひらなかちねんがた) 比較的低音よりだが三弦ともバランス良く響きます。「知念氏」の弟子の「平仲氏」の作品であると言われています。知念大工型と真壁型の中間のような存在であり、現在は基本7つの型に入っていますが、上述した与那型から派生した江戸与那型のような存在でもあり、この型については今後、基本型にいれるのかどうかを検討中だと聞きます。
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■久場春殿型(くばしゅんでんがた) 三線の中で一番の太棹です。しかし低音はあまり響かず、高音が響きます。これは天が薄いためとほとんど湾曲が無い為です。 「久場春殿氏」の作といわれています。天から下に向けて、まるで東京タワーの様な出で立ちは他を圧巻し、圧倒的な存在感を醸し出します。 この三線を弾いている方はほとんどお見かけしません。
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■久場ぬ骨型(くばぬふにがた) 高音の響きが美しい三線です。棹は細棹。非常に優美な女性的な三線です。エレガントな女性にお勧め。棹は細く重量も比較的軽いために立ち弾きの際にも疲れにくい三線です。 「久場春殿氏」の作と言われています。
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三線の棹を作るときの材は何を使用しているのでしょうか?
王朝時代の三線は全て黒木(くるち=黒檀)で作られていました。現代の三線では八重山地方に生息する「八重山黒木(えーまー)」が一番最高級の材となっています。しかし八重山黒木も40年以上前に伐採禁止となっており、当時伐採された残りの材か、台風などで自然倒木したものしか使用できません。
そこで代用の黒木として使われているモノがフィリピンのカミギン島の「カミゲン黒木」。カミギン島以外の「フィリピン黒木」。そして「インド黒木」など南方産の黒木です。
他にも「縞黒檀(カマゴン)」「紫檀」「鉄木」「カリン」「レイシ(ライチ)」「メイプル」など、ギターなどの楽器にも使用されている材で作られます。
価格では八重山黒木が一番高価となり原木だけでも20万円から50万円となっています。
黒木では八重山黒木に次いで、カミゲン黒木、その他のフィリピン黒木、インドなど南方産の黒木の順で安くなります。
縞黒檀や紫檀などは比較的お求め易い価格となります。更に安価なものはメイプルなどです。
▲黒木(黒檀) | ▲縞黒檀(カマゴン) | ▲紫檀 |
以下に、それぞれの材による音の違いを図で示してみました。
胴(チーガ)に使われる材で、代表的な物は、「チャーギ」「桑」「ケヤキ」など。最近はベトナム製の「ゴム」もあるようです。
「チャーギ」「桑」は一般的に良く使われる材で、比較的初期の段階から震えてくれます。震えると言うことは音の伝達が良いと言うこと。ただし永く使ってもあまり変化が見られません。
「ケヤキ」は初期の段階では全く震えません。音が硬いと思います。ところが永く使っていると恐ろしいほどに震え出します。音は豊かで暖かい音を醸し出します。
「ゴム」は良くわかりません。かなり安価な胴になります。
また、棹の芯が通る差し込み口方向だけを「チャーギ」や「桑」にして他の2面はケヤキにしているハイブリッドもあります。
胴の中を細工して良く響くように加工した胴もあります。王朝時代の名器「盛島開鐘(むりしまけーじょー)」などは、胴に細工をしていました。
元来、三線の胴は、上述した「棹の型」に合わせて厚みの異なったものを使用します。
しかし昨今は、厚みを統一した胴で流用するのが主流になっているようです。
▲チャーギや桑などで作られた胴 | ▲棹の芯が通る部分だけ違う材で作られた胴 | ▲内部に細工を施した盛島胴 |
皮はニシキヘビの皮を使用します。概ね次の3通りがあります。
1.人工皮張り
名前の通り人工で作った化学繊維の皮です。蛇皮のプリントが施してあります。最近はハイビスカスや人の顔などをプリントした洒落たモノまで出ています。破れる心配はありません。どちらかというとキンキンした音になります。皮を思いっきり引っ張って張る「奄美三線」では、最近ではこの人工皮を多用しています。一番安い張りです。
2.強化張り
二重張りとも言います。先ず、薄い化学繊維を張り、その上から蛇皮を張ります。こうすることで破れるのを防いでいます。蛇の皮を使用していますので見た目には分りません。ただし音は少し籠もりがち。最近は改良されて良く鳴る強化張りが出てきています。皮のグレードによって価格が変ります。二番目に安い張りです。
3.本皮張り
蛇皮一枚で仕立てたモノです。本来の沖縄三線は、この本皮張りです。あの何とも言えない音を作り出すのが、これです。3年から5年で破れる可能性があります。皮のグレードによって価格が変ります。一番高い張りです。2万円程度のものから最高級の皮の場合は4万円ほどします。ちなみに「塩田」の三線は、この本皮張りですが、10年間破れていません。ほとんど毎日弾いているのが破れない秘訣だと思っています。
▲左が人工皮。化学繊維に蛇皮の柄がプリントされている。右はニシキヘビの皮 |
▲皮の比較。左は高級皮。右は通常の皮。鱗の大きさが違います。鱗が大きい=大蛇であり尻尾に近い部分を使います。 |
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